仮置き場

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たくさんの愛と関心を

jimin-promise

 

 一つ一つ努力するジミンちゃんが、一つ一つ丁寧に考えてこだわってジミンちゃんらしい優しい言葉と、優しい雰囲気を持った初めての自作曲を作ってくれて、さらに彼独特の甘い優しい歌声がのることで完成された「約束」は、本当に素敵なものだった。

 いつの日か、沢山のことが一緒に出来ないから一つ一つ頑張るしかない、と話していたのを思い出した。
歌なら歌、ダンスならダンスを一生懸命練習しなければならないと話していて、器用ではない彼はこうやって8ヶ月もの時間をかけてひとつの曲を作り上げた。
器用ではないからこそ、そして自分が納得する基準も高いからこそ、時間はかかれどいつも沢山の人を魅了するものが出来るんだろうなと思う。

 自分の高い声が好きじゃなくて、コンプレックスとなっていた声で、ジョングクのように上手くならないと、と年下の子に劣等感を感じていた歌声で、「自分への歌でもある」と話す自作曲を歌ってくれるなんてどれだけの勇気だったんだろう。おそらくこれを投稿する時はすごく緊張しただろうし、優しいARMYがいることを知っている彼は、少しは良い反応がもらえることは分かっていたとしても、耐えられないほどでなくともとても不安だったと思う。

 

「納得がいかない」「不安だ」とその時の感情を話すことはあっても、自分の心の内をあまり周りに話すことがない彼は、自分で決めたものだからと自分だけで抱えて、納得させられない自分自身を嫌になることが沢山あったのだろうか。
 他のメンバーのソロ撮影は必ずといっていいほど応援に行き、人懐っこい笑顔で直接メンバーを沢山褒める彼は、自分のことを沢山褒めることはあったのだろうか。
周りの人がしんどいとき、辛い時、悲しい時にそばにいて、少し小さな体とふわふわした手で抱きしめて寄り添う彼は、自分のことを抱きしめる時はあったのだろうかと疑問に思う。

 この曲を聴いてから、いつものカメラが回ってる前でのパクジミンを見ると乖離していて少し混乱する。本当に上手に相手と視線を交わしたり、スキンシップをとって甘えるのに、あまりにも精神的に甘えるのが下手くそで。周りが手を差し伸べるだけではその手を取らなくて、むしろ無理矢理にでも引っ張ってやらないと甘えない不器用さが、物理的に甘える姿と違うことに少し泣きそうになる。
 だけどそれをわかっているテヒョンは、WINGSツアー中に上手く歌えなくて自分にイライラしているジミンを、無理矢理にでも引っ張って連れ出したんだろう。*1
「大丈夫か」と声をかけても返事をしないほどピリピリしたジミンを、自分へ寄りかからせるためなのか、少し外の空気を吸わせるためなのか、張り詰めたその空気を他の人にも伝えているからなのかは分からないけれど、優しくも確実にテヒョンから手を取ったことでようやく甘えられる状態になるんだろう。

 テヒョンが書いた「그므시라꼬(クムシラッコ)」のジミンへの詩*2を聞いた時、ジミンは自分へのストレスが本当に多そうだなというわたしの考えが、確認されたように感じた。
それでもテヒョンとは、テヒョンとしかわからない悩みや葛藤、感情を話し合っていたんだろうし、ナーバスな時はお互いに頼る存在だからこそ、テヒョンにはジミンが自分を責めているのが痛いほど伝わっていたんだろう。
 だからテヒョンはジミンの努力を肯定するし、一生懸命に頑張っている姿を知っているから、ステージに立つ彼はテヒョンの中で一番格好いいことに変わりはないんだろう。
また彼も彼でテヒョンは純粋な心を持つとても優しい人間だと知っているから、信頼を寄せているんだろうと思う。お互いにお互いをベストだと思っているから。もしかしたら支えてもらっていることへの感謝から、特別な「first jimin present」でのジャケット写真は「Best photographer」のテヒョンに任せたのかなと思う。*3

 

 ボンボヤ3でナムさんと自作曲について胸の内を、作曲していることを、恥ずかしそうに話していたけれど、ナムさんだからこそ話せたのではないかと思った。*4
 もちろん「Lyrics by Jimin, RM」と記載があるように作業を一緒にしていて、ナムさんが沢山作詞作曲の経験があるからという理由もあるかもしれないけれど、誤魔化さないでいつも優しく真摯に受け止めてくれる彼だからこそ、あの時話してみようと思ったのかなと。
 実際その時のナムさんは、作詞作曲に対して不安を持ち続け、何ヶ月もかけて上手くやろうとするジミンを説得し、肯定もするし褒めてもいた。
周りの人に優しいジミンは、自分には少し厳しい人で、でも認めてもらいたい気持ちも強いから、どこか吐き出せる場所があるのか、あったとしても彼の内からすっきりと無くなるまで話し解決するのかが不思議で。
 おそらくメンバーは、それぞれ形は違えど受け止めてくれるし言葉を返してくれると思うけれど、彼自身の基準がある限りすぐには悩みの解決まではいかないんじゃないかと思う。多分それはこれからも出来るようになるには少し難しいことで、必ず出来なければならないことでもなくて。それでも何か変えることによって、少しはジミン自身の負担を減らすことにはなるんじゃないかとも思う。

 だからこそ今回の自作曲で、胸の内を優しい言葉で吐き出してくれた彼は、それによって少し荷物が下ろせていたらいい。
アミのためへの歌とも話しているけれど、わたし個人としてはとてつもなくジミン本人の歌に偏っている気がしている。
 2018 MAMAで顔を隠すように泣いていた彼も、WINGSにて泣かずに「成長したでしょう?」と耐えた彼も、自分の声や歌い方に納得がいかずひたすらに練習する彼も、体の故障によりパフォーマンスが出来なくて情けなくて泣いてしまう彼も、誰よりも練習の虫となり努力する彼も、みんなみんな一人で立っているようで。
それでも「ひとりで座り込んで、考えだけが大きくなる」自分に気がついたのは周りの支えがあったからじゃないかと思う。だから一人で立っているようでそんなことは決してないし、そう気付けたのは他ならないメンバーやアミの影響が大きいのではないだろうか。

 

 ユンギさんへの「もっとジョングクのように(歌を)上手くならなきゃ」という言葉が、そもそも実力が足りていないこと前提に聞こえ自己評価の低さが伺えた。*5

 ジョングクがSONGSで話していたけれど、ジミンは確実に多くの努力と才能で上り詰め、今の人気を勝ち取ったのは事実であって。なのにまだダメだと言うように、WINGSツアー中もジミンは練習の時間が取れなかったのが残念だと話していた。
 人気アイドルの道を着実に進むBTSは、練習生時代より撮影やインタビューなど仕事が多くなったために、練習時間が取れないのは当たり前ではないのかと思う。ただそれを理由にしないところは良いところでもあるけれど、自分への負荷の掛け方の加減が分からなくなっているのかなとも思った。

「"できない"というストレスはできるようにならないと解消されることはない」と話すジミンは、とてつもなく完璧主義者に見える。自己評価が低く、承認欲求もそこそこにあるけれど、頑固な面もあるために周りが褒めようが認めようが、結局は自分の基準を超えなければ納得がいかないのではないだろうか。

 ナムさんが「(ジミンは)上手くやろうとすると何も出来ない」と話すように、真面目な優等生ジミンゆえの上手くやろうとする負荷のかけ方だろうと思う。
ただその部分は彼を思う周りからすると、ほどほどであれば向上心があるとして良いけれど、度を越した責め方は心配になる。また多くの人前に立ち世間の代弁者としてのBTSであり、心身ともに駆使する仕事をしている分、壊したら元も子もないのでプロとしてもう少し基準を緩めてもいいのではと思う。
 もしくは自分への負荷を周りに少し預けることも出来るんだよ、と。上手くやろうとしなくとも、むしろ少し肩の力を抜いた方が上手いんだからとメンバーが話すように。
ただそういったことは性格の問題なので、本人は元々感じてはいなかったんだろうけれど。アイドルとしてプロとしてメンバーと過ごす中で気付いていき、自分でもいつからそんな苦しめ方をしているかなんて分からなくて、でも自分でもすぐに変えることなんて出来ないから、さらに自分自身を騙し隠し通すか平気なフリをしていて。

 それでも今回の歌でその葛藤を上手く昇華させたのかなと思うと、本当に本当に長い時間をかけて作ってくれて良かった。
 コンプレックスがおそらくこちらが思うよりも沢山あるジミンが、一つ一つ、少しずつ少しずつ、それを愛することが出来たら、自分自身を愛することが出来たら、それはもう何よりもわたしが望むことであって、世界に愛されるパクジミンは自分自身を愛することができるパクジミンであって、それほど幸せなことはないと思う。
ここでの自分自身を愛するパクジミンとは、決して今までのジミンを否定するものでもないし、ナムさんも話していたけどナルシズムという意味でもなく、むしろ今までのジミンがいるからこそ多くの人に愛されるアーティストだと思うので、自分を受け入れるという形に近い。

 何より今回の歌が、ジミンの思いをのせた自作曲が出来たのは、彼がいつも丁寧に、素直に気持ちを歌で伝えてくれる「BTS」であったからでもあるのかなと思う。

余談だけれど、ここまで書いた後に新年の挨拶(Bomb)を見て、わたしが上記で示したようなジミンに感じたことは間違いではなかったかなと思えたので、少しほっとした。*6

 

 2018年末のSBS歌謡大祭典レッドカーペット*7でも約束ポーズをとる時に、こっそり小指を引っ張ってからポーズをとる姿を見たとき、本当にすごくかわいい仕草だけれど、やっぱり彼にとっては人よりも少し短いぷくぷくとした小指はあまり見せたいものでもないのかなと。
それでもその小指で指切りをして、約束をして、と自ら歌うジミンは沢山の勇気をそこに込めたんだろうと思う。
それを想像しただけで、パクジミンのモンペを謳うわたしは親のような母性のような、とてつもない愛おしさが溢れる。

SBS-2018歌謡大祭典-レッドカーペット

出典:footwearnews.com

 

 沢山の努力と沢山の勇気を込めてくれた약속は、あまりにも素敵な音楽となり、ジミンちゃんの心の内を少し垣間見れた気がしてとても嬉しい。
 わたしは音楽の専門的な用語やメロディの作り方、楽器の引き方すらわからない素人だけれど、パクジミンの声が好きだし歌い方、声の出し方、雰囲気の作り方がただただ好みで、本当にアイドルになってくれてありがとうと感謝したい。
 少し息の入る歌い方は色っぽくて、でも柔らかい優しい雰囲気で、静かにひっそりと、体を小さくしながら膝を抱えて、ゆらゆらと揺れて歌う姿が浮かぶようだ。

そろそろパクジミンをこの世に産んでくださったご両親に感謝し、パクジミンが存在する世界に感謝する勢いだから終わろうと思う。

 

 これからもジミンちゃんには沢山の愛と関心が必要だと思うので、약속をしてくれたジミンちゃんにわたしができる範囲で愛と関心を与え続けると約束したい。

 

 

 

 

 

初掲載:2019.1.2 noteにて
再掲載(加筆修正/出典記載):2021.1.25

 

 

*1:2018年公開 Burn the Stage: The Movieより
日本版はカットされたシーン

*2:Run! BTS ep.56より 21:11~
「ダイエットのせいで 音を外したせいで
舞台でミスしたことであまりストレスを感じるな クムシラッコ
お前はステージで何をしても 僕が見た人の中で
最も素敵な人であることに 変わりはないから うるうる」

*3:sound cloudでのURLファイル名が「firstjiminpresent
BANTANG BLOGで「열어보기(開けて表示)」を押すとジャケット写真の下に「Special Thanks to V , Best photographer」と記載

*4:2018年10月 BON VOYAGE S3 Ep.3
www.vlive.tv

*5:2018年 Burn The Stage EP.6

*6:[BANGTAN BOMB] Happy New Year 2019! - BTS (방탄소년단)

youtu.be

*7:[2018 SBS 가요대전] '레드 카펫 포토타임 '방탄소년단'

youtu.be